こんにちは、yumiです。
出産を控えているとき、また産後に新生児のお世話が始まって困ったとき、手元に育児本があると便利ですよね。
本屋の育児本コーナーには全カラー・写真多めの育児本がたくさんありますが、私が敢えておすすめしたいのは文庫本のこちら。
私は写真多めの本も持っていますが、月齢ごとの情報の詳しさではこちらが圧倒的!でした。
この記事はこんな方におすすめです。
- 赤ちゃんの病気についても詳しく載っている本が欲しい
- できれば小児科医の先生が書いた本がいい
- ギフトに最適な育児本を探している
Contents
「育児の百科」の著者:松田道雄さんは1908年生まれのベテラン小児科医
育児本については、どんな人が書いてるか気になりますよね。
松田道雄さん(1908-1998)は京大医学部出身のキャリアの長い小児科医。この本の初版は1967年に出版され、現在も版を重ねるまさに「育児本の古典」です。
大阪と京都での長い小児科経験を元に、
- 月齢ごとの赤ちゃんの発達
- 様々な赤ちゃんの病気
- そのとき親がどうするべきか
が平易な文章で書かれており、厚めの文庫ですがとても読みやすいです。
この本を貫く思想は「赤ちゃんの主体性を尊重」というところ。本当に気をつけるべき病気のみ親は配慮し、他は赤ちゃんの自分で育つ力を見守る、というスタンスが読んでいて安心できます。
育児の百科の構成:上中下の3巻セット
上巻 | 5ヶ月まで |
---|---|
中巻 | 5ヶ月から1歳6ヶ月まで |
下巻 | 1歳6ヶ月以降 |
こちらの3巻構成になっています。
例えば上巻の「1ヶ月から2ヶ月まで」の章の目次を一部抜粋するとこんな感じです。
そだて方
- 母乳で育てている場合
- ミルクで育てている場合 他
かわったこと
- 乳を吐く
- 便秘
- 湿疹
- たんがたまる 他
このように、どの月齢においても、「赤ちゃんの一般的な状態」「栄養(母乳・ミルク)について」「かわったこと(病気)」が網羅されており、該当する月になったら一通り目を通すと安心できます。
我が家はいま子供が7ヶ月ですが、これまでいろんなことがありました。
- 新生児の湿疹
- 便秘
- 目やに
- たんが切れない
悩んだ時に、「これはこの月齢ではよく起こることなんだ」「このくらいなら病院に行かないで様子を見よう」という判断をするのにとても役立っています。
育児の百科の一推しポイントは「離乳食」についての章です
私もそう思ってましたが違いました。印象的だったのが以下の記載。
赤ちゃんを離乳させるということを、あまりかたくるしく考える必要はない。(中略)
特別に調理した赤ちゃん専用の食べものでないといけないというのではない。(中略)
離乳期だから離乳食だけつくっていればいいという考えはまちがいだ。(中略)
(出典)定本育児の百科(中)松田道雄(著)岩波文庫
いま書店に並ぶ幾多の離乳食本とは対象的に、
- 大人の食事の一部を与える
- ベビーフードを使う
のがこの本の考え方です。
いわゆる離乳食レシピは作るのに相当の手間がかかって母親のプレッシャーになること、子供と遊ぶ時間が調理によって減ってしまうことを問題としています。
母・子への視線がとても優しく、私も離乳食どうするか悩んでいたときに読んで目からウロコでした。
育児の百科で、現代の育児とは異なるところ
確かに、改訂されてはいますが、現代の育児の常識とは少し違う部分もあります。
- 果汁を与えているところ
- 布おむつを使っているところ
- 離乳食を早くて4ヶ月から始めているところ
そのため、最近の育児本とも併用するのがよいかと思います。
離乳食については、具体的な進め方やベビーフードの例まで書いてある2019年出版のこちらがおすすめです。
松田道雄さんの「私は赤ちゃん」は軽く読める育児エッセイ。パパ向けギフトにおすすめです
育児の百科がとても気に入っていた我が家で、同じ著者の本ということで思わず買ってしまったのがこちら。
こちらは見開き2ページで1話の、軽く読める育児エッセイです。
主人公はなんと「赤ちゃん本人」。赤ちゃん目線で、
- 病気になって困ったこと
- ママ・パパへの愛のあるツッコミ
が様々なポイントで書かれており、育児の合間に読むと「くすっ」と笑って肩の力が抜けます。
特に面白かったのが離乳食の章のこちら。
離乳食の難しい調理法を知らないで消化不良を起こすとしたら、人類は地球上に20億も繁殖するわけがないじゃないか。
私は辛党なんです。ママがこしらえた乳粥という、ベタベタした甘いのがやりきれないんです。
(出典)私は赤ちゃん 松田道雄(著) 岩波新書
あとは時代背景か、パパが外で働き、ママが専業主婦という設定です。当初は朝日新聞の連載していたもので、育児を知らないパパに「赤ちゃんはこんなものです」と教えるような役割も果たしていたようです。
そのため、現代でもパパ向けのギフトとして最適!多少、時代に合わないところもありますが、赤ちゃんの気持ちとママの苦労を知ってもらう上でこんな分かり易い本はないと思います。
「育児の百科」と「私は赤ちゃん」で楽しく育児しよう
以上、今回は育児本の古典2冊をご紹介しました。
書店に育児本は数あれど、松田先生の小児科医としての長いキャリアに基づいたこちらは手元にあると安心できます。
「赤ちゃんの一人の人間として扱い、主体性を尊重する」という点は、実際に育児をしていてとても共感します。
ぜひこの2冊を楽しい育児に役立ててください!